KC(カンガルーケア)やSTS(Skin To Skin)に注意
カンガルーケア例  カンガルーケアとSkin To Skinとは同意語であり、肌と肌を直接触れ合わせて母子愛着の確立、母乳を出やすくするなどの利点があると言われています。しかし、カンガルーケアが行われる出生直後は、劇的に環境が変化する時期であり、呼吸・循環ともに非常に不安定な状態であるため 実施方法によっては危険があることを十分知っておかなければなりません。

 カンガルーケア中の事故に遭った被害者が増えるにつれて カンガルーケア ガイドラインというものが策定されました。このなかで実施する場合は以下の3つのことを指針として出しています。

・カンガルーケアに対する十分な事前説明をすること
・実施中は人的・機械的な観察を十分にすること
・もしもの場合のために 蘇生に熟練した医療者がいること

 被害者の会が結成されてから、カンガルーケア時の危険性について 広く知られるようになり 2012年1月18日には日本産婦人科医会の幹事が記者との懇親会で「カンガルーケアは安全指針守れる施設のみ行うべき」との考えが明確に示されるなど情勢は変わってきています。
被害者の会から出産を予定している方へのアドバイス
 被害者の会では、もう絶対カンガルーケアはしないという方もおれば カンガルーケアそのものが悪いのではなく指針を無視した実施が悪い等さまざまな意見があります。 ただ、もしカンガルーケアをするにしても事故があれば、妊娠中 仕事を辞め、浄水器を使い 葉酸のサプリメントを飲み、少しでも元気で賢い子が生まれるようにと行った努力は全て水の泡となります。 ここでは、そんな悲しいことがもう2度と起こらないように知っておいて欲しいことを書き留めます。

・知っていてもいざというとき 母は子の呼吸停止に気付けない
出産では母も命をかけた患者です。出産後は手も上がりません。被害者の中には医療従事者もいますが、暗い分娩室では顔色・息づかい・脈・体温の全てがわかりません。
寝ている状態となんら変わらない中、子供は死んでいきます。
・呼吸停止に気付いて蘇生しても場合によって後遺症は残る
医者は口を揃えて後遺症は大きくなるまでわからないと言います。被害者の会では一般人が植物人間というような子ばかりです。
・被害者のほとんどは正常出産で奇形もない
後々の検査でも全員、素質的な問題ありません。
・母の年齢は関係ない
20代~40代まで幅広くいます。
・出産時の血糖・体温は測っておいてもらい保温に努める
呼吸停止に至る原因は低血糖と低体温のようです。現にそのようなデータを持った被害者もいます。
一般的に体温は取るようですが、血糖を取るところは少ないようです。腹部に子宮を収縮させるための氷枕も子供には悪影響です。
・出産直後のカンガルーケアだけでなく母子同室で医療者の監視がない中でも起こりうる
帝王切開で麻酔が切れないまま預けられたりしたケースもあります。