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2011年11月26日
2009年11月20日に続き、福岡でまた同様の事故が起こり、その両親が提訴したという記事です。
福岡市内の病院で生まれた女児が重度の脳障害を負ったのは、母親と新生児を一緒に寝かせる「母子同室」や母乳だけを与える「完全母乳栄養法」を母親にさせ、経過観察を怠ったのが原因だとして、両親が病院を相手取り、約2億3千万円の損害賠償を求めて26日に福岡地裁に提訴することがわかった。
提訴するのは、里帰りして福岡市内の病院で女児(9カ月)を出産した両親=神奈川県在住。
訴状などによると、女児は今年2月14日午後1時40分ごろ、健康状態正常で生まれた。病院側は分娩室内で、母親に胸の上で女児を抱かせる「カンガルーケア」をさせた。
さらに夕方以降計3回、3時間半にわたり、母親と2人きりで病室のベッドに寝かせる「母子同室」を実施したところ、女児は翌日午前1時20分ごろ呼吸停止となった。同病院で蘇生(そせい)処置が施され命はとりとめたが、「低酸素性虚血性脳症」と診断され、現在も寝たきり状態となっている。
同病院は、新生児に母乳だけを与える「完全母乳栄養法」を採用。原告によると、病院側は母親に対し、母乳を与えるように指示した。しかし、母乳は分泌されず、女児も乳首を吸おうとしなかったたにもかかわらず、病院側は他の栄養を与えず、血糖値など女児の健康状態を検査することもなかったという。
両親側の弁護士は「十分な経過観察もせず完全母乳栄養法にこだわった結果、低血糖症(極度の栄養不足)と呼吸停止を招き、女児を低酸素性虚血性脳症に陥らせた」と主張。一方、病院側は管理、観察態勢について「問題はなかったと考えている」としている。