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2011年5月14日

2009年11月20日に福岡で起こった事故の損賠提訴ニュースです。

 出産直後の新生児を母親に預けたまま経過観察を適切に行わなかったことで新生児が低体温症に陥り植物状態になったとして、福岡県糸島市に住む両親らが、福岡市の九州医療センターを運営する独立行政法人国立病院機構(東京)に約2億3千万円の損害賠償を求めて13日、福岡地裁に提訴した。

 訴状によると、母親は2009年11月20日正午すぎ、センターで帝王切開により次女を出産。次女はいったん保育器に収容され、午後6時から午後7時15分まで母親の元に預けられた。

 午後10時ごろ、助産師が授乳のため、意識もうろうとした母親の胸に産着にくるんだ次女を乗せて立ち去った。午後11時20分ごろ次女の呼吸は停止、蘇生措置で命はとりとめたものの植物状態になったという。

 原告側弁護士は「通常15−20分置きに行う新生児の経過観察をせず、母子を室温18度の寒い病室に放置した。センターが推奨するカンガルーケアを漫然と行ったために起きた事故だ」と話した。提訴後に記者会見した両親は「センターは次女が乳幼児突然死症候群だったとしか説明しない。同じような事故が繰り返されないことを願い提訴した」と語った。

 九州医療センターは「院内でカンガルーケアを行ってはいるが、この患者にはしていない。弁護士を介して何度も交渉し、過失はないと繰り返し述べている」とコメントした。

西日本新聞より